事例概要
広島市佐伯区の楽々園駅から徒歩3分という好立地に、新たな商業施設『イオンタウン楽々園』がグランドオープンしました。そして、地域コミュニティの核となることを目指し、多様な飲食・食物販の専門店が集うこの施設に、広島銘菓の老舗『平安堂梅坪』が新店舗を構えました。 大正7年創業の平安堂梅坪は、地元で長年愛され続ける名店です。これまでにも複数の店舗を展開してきましたが、今回の楽々園店では、既存店とは異なるデザインが求められました。これまでのブランドイメージを守りつつ、新しい価値を創造する店づくりが課題でした。
課題
既存店の雰囲気を引き継ぎながらも、既存店とは異なる、上品な印象を持つ空間を演出すること。 区画の特性を生かし、お客様が自然と足を止め、立ち寄りたくなるような工夫を取り入れること。
デザインのポイント
これまでの店舗は、濃色の木目や石目を基調とし、重厚で格式高い雰囲気を醸し出していました。一方、楽々園店ではナチュラル系やホワイト系の木目・石目を多用し、より軽やかで現代的な空間を創出しています。 ただし、明るい色味だけでは単調になりすぎるため、島什器や柱面には意匠性の高いリブ材を使用しました。このリブ材が生み出す陰影が、上品で立体的な表情を加え、空間全体に奥行きをもたらしています。 また、平安堂梅坪では、モダンなデザインのパッケージを採用した洋菓子も取り扱っています。そのため、売り場のデザインと商品のイメージが調和するように配慮し、トータルでブランドの価値を高める空間を目指しました。
レイアウトのポイント
楽々園店の区画は食物販エリアの角地にあり、3方向の通路に面しています。この視認性の高さを最大限に生かすため、店舗設計では3つのショーケースを通路のお客様にしっかりと見せることを軸にレイアウトを構成しました。 基本的な計画としては、作業スペースを中心に据え、その周囲を収納・陳列スペースが囲む形を引き続き採用。さらに、角地特有のスペースには、バラ売り用の島什器を配置することで、スペースの有効活用とお客様の動線づくりを両立しました。 島什器は、商品を手に取りやすいように設計しており、お客様が自然と足を止めるきっかけをつくります。また、区画内に通り道を設けることで、店舗の中に入りやすい雰囲気を醸成。視認性を活かしながら、思わず立ち寄りたくなる仕掛けを随所に施しました。